Iwane MIZUSHIMA

水島石根(みずしまいわね)

脱活乾漆の技法を使う

天平時代に盛んに行われた、麻布に漆を重ねる“乾漆(かんしつ)”技法で、独特の繊細さとやさしさのあふれる作品を生み出し続ける彫刻家、水島石根。

「漆」は化学変化によって硬くなります。「漆」が乾くまで長い日数を要します。乾漆造の利点は、「漆」が乾燥する間、その高い粘着性を利用して像の姿を自由に整えることが出来ることです。

完成した乾漆造の像は、軽くて丈夫なものとなり、写実的でありながらも独特の繊細さと柔らかさを表現するのです。脱活乾漆造の像は、軽くて持ち運びがしやすく、戦乱の最中にあってもたやすく持って逃げることが出来ました。

今日、残っている貴重な仏像もそのおかげで戦火をくぐり抜け生き延びたものと言われます。

脱活乾漆像の代表的なものとしては、奈良興福寺の阿修羅像(あしゅらぞう、国宝)を含む八部衆立像(はちぶしゅうりゅうぞう、国宝)、東大寺法華堂の不空素親音立像(ふくうけんさくかんのんりゅうぞう、国宝)、唐招提寺の選真和上坐像(がんじんわじょうざぞう、国宝)、当麻寺(たいまでら)の四天王立像(してんのうりゅうぞう、重要文化財)、など、白、天平の頃に造られた多くの仏像があります。

works

経歴

1939年 大阪生まれ
1965年 東京芸術大学大学院修了卒業制作 乾漆作品『土』芸大買上げ
    新樹会に出品
1968年 父 弘一のアトリエで彫刻制作
1974年 イタリアへ留学
1976年 『土の会』結成
1977年 NHKテレビ『美術の世界、彫刻 水島石根』放映
1990年 東大寺末寺『施法寺・十一面観音』制作
1993年 京都遷都1200年・日米交流展出展
2000年 東大寺学園『三尊佛』制作
2001年 東大寺大仏開眼1250年 散華制作
2024年 没

京都府木津川市鹿背山の自然に囲まれたアトリエで、彫刻や焼き物の制作を続ける。