071120 馬頭琴うさぎ

草原のはてで、

風がひとすじ、

まだ名前のない音を運んでくる。

馬の影が揺れ、

蹄の鼓動が

胸の奥で小さく灯るとき、

うさぎは耳を澄ませる。

まだ見ぬ馬頭琴の旋律が、

世界の隙間で

そっと息をはじめる。