5月16日 旅立ちの日に寄せて――芭蕉に想う

おはようございます。水島太郎です。

今日も一日、何卒よろしくお願い申し上げます。

本日5月16日は、俳聖・松尾芭蕉が『奥の細道』の旅に出た日として知られています。

元禄二年の春、ちょうど今のように青葉が深まる頃、芭蕉は江戸・深川を後にし、東北から北陸へと、五ヶ月を超える長い旅に出ました。

「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」

あまりにも有名なこの一文は、人生そのものを旅になぞらえたもの。

私たちもまた、それぞれの「道」を歩んでいるのだと思うと、時を超えて芭蕉のまなざしが心に沁みわたります。

日々の制作もまた、私にとって一つの「道中記」です。

素材と語り合いながら、形を探り、祈るように手を動かす。外に出ない旅ではあっても、確かにどこかへ向かっている感覚があります。

こんな日にこそ、ふと旅に出たくなります。

遠くへ行かなくても、いつもの道を少し違う目線で歩くだけでいい。

そうすれば、どこかに芭蕉の風を感じられる気がします。

昨日は仁賀さんに三月ぶりにお目にかかることができ、午後は7月のイベントに向けた打ち合わせ。実りある一日でした。

そして久しぶりに訪れた金龍さんの社では、どなたかのご寄進によって階段が新しく整えられており、見えない「支える力」に深く胸を打たれました。

どうぞ今日も、皆さまにとって穏やかで良き一日となりますように。

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