ビャンビャン麺と国語のプリント一枚王楽園の昼下がり

ビャンビャン麺の王さんと話した、教育についての印象的なエピソード。

王さんは40年前に中国から来日し、立命館大学を卒業。日本で家庭を持ち、子どもも育てた。だがある日、小学生の子どもの国語の宿題を見て驚いたという。内容は○×で答えるだけのプリント一枚。漢字も書かず、文章も書かない。「これが国語? これで考える力が育つのか?」と疑問を抱いた。

王さんは悩んだ末、妻に日本の仕事を任せ、子どもたちを連れて中国に戻った。中国の教育は厳しいが、「努力する力を育てる」という明確な価値観があった。子どもたちはその環境で育ち、今ではアメリカの大学でドクターとして学んでいる。

「勉強は楽じゃない。でも、自分の力で未来を切り開ける人間に育ってほしかったんだよ」と語る王さんの目は、ビャンビャン麺の湯気の向こうで静かに光っていた。

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