一月某日 処世界に選ばれて
今年も、処世界童子に選ばれたという知らせを受けた。
十一人の童子のうち、最も若い役職でありながら、行の中では練行衆の新入(しんにゅう)の導き手となる。教えることを通して、自分の未熟さを知ることになるのは、去年も経験したはずなのに、やはり今年もその重さには身が引き締まる。
童子である中でも一番練行衆の近くにいる存在ではあるが自分はまだ完成された存在ではない。
彫刻のように、未完成のまま、常に削られ整えられ続ける立場だ。導くことと学ぶことが交差する場所、それが処世界なのだと思う。
選ばれたことに、感謝と緊張が入り混じる。
この冬のあいだに、心身を整え、別火に備える。日々を澄ませる。そう決めた。

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