勝手に向き合うシリーズ:バンクシー

勝手に向き合うシリーズ:バンクシー

バンクシーは、オークションの落札が決まったその瞬間、自らの作品をシュレッダーを仕掛けた。マネーゲームへの痛烈な皮肉。アートと資本主義の矛盾を、見事に演出してみせた。

一方、僕、覆面でもなくバンクシーではない水島太郎は、そもそも最初から作品の中にシュレッダーが埋まっているようなものを作った。

誰も驚かないし、誰も止めない。

そしてそれを、ヤフオクに出品した。芸術か、冗談か、ゴミか、祈りか。その境目で、ひとつの小さな声を置いてみた。それもまた、勝手に向き合うということなのだと。